H7.3. Dr.Web Serverリモート診断ユーティリティ

Dr.Web Serverリモート診断ユーティリティを使うと、動作に関する統計を管理・確認するためにリモートでDr.Web Serverに接続できます。ユーティリティのグラフィカルバージョンはWindows OSでのみ使用可能です。

このユーティリティはControl Center経由でダウンロードできます。メインメニューで 管理 を選択し、コントロールメニューで ユーティリティ を選択してください。

Windows OSの場合 - グラフィカルバージョン。

UNIX系OSの場合 - コンソールバージョン。

次のバージョンのDr.Web Serverリモート診断ユーティリティが提供されています。

実行ファイル

位置情報

説明

drweb-cntl-<OS>-<bitness>

Control Center、管理 → ユーティリティ セクション

個々のバージョンのユーティリティ。任意のディレクトリから、または対応するオペレーティングシステムが搭載されたコンピューターで起動できます。

webmin/utilities Serverディレクトリ

drwcntl

bin Serverディレクトリ

ユーティリティのバージョンはサーバーのライブラリに依存します。保存先のディレクトリからのみ起動できます。

drweb-cntl-<OS>-<bitness>drwcntlのバージョンのユーティリティは機能が似ています。さらにこのセクションでは、drwcntlのバージョンが示されていますが、全ての例が両バージョンに関連しています。

Serverリモート診断ユーティリティに接続するには、Dr.Web Server FrontDoorプラグインを有効にする必要があります。これを行うには、Dr.Web Server設定 セクションの モジュール タブで、Dr.Web Server FrontDoorプラグイン フラグを設定します。

 

Serverリモート診断ユーティリティに接続するには、ユーティリティ経由で接続する管理者が 追加機能を使用 権限を持っている必要があります。そうでない場合、リモート診断ユーティリティ経由でServerにアクセスすることはできません。

 

TLSを使用したユーティリティの接続では(グラフィカルとコンソールの両方)、Serverアドレスを設定するときに次のようにプロトコルを直接指定する必要があります:ssl://<IPアドレスまたはDNS名>

Dr.Web Serverリモート診断ユーティリティへのServerの接続設定については、管理者マニュアルDr.Web Serverのリモートアクセスを参照してください。

ユーティリティのコンソールバージョン

スタート命令フォーマット

drwcntl [-?|-h|--help] [+<log_file>] [<server> [<login> [<password>]]]

ここで:

-? -h --help – ユーティリティ使用のコマンドに関するヘルプを表示します。

<log_file> - ユーティリティの全ての動作を指定されたパスにあるログファイル内に記録します。

<server> - ユーティリティが接続するServerのアドレスの文字列を[(tcp|ssl)://]<IP address or DNS name>[:<port>]のフォーマットで指定します。

サポートされているいずれかのプロトコルを介して接続するには、以下の条件を満たしている必要があります。

a)sslを介して接続する場合、frontdoor.conf 設定ファイル内で<ssl /> タグを設定する必要があります。このとき、接続はsslのみを介して確立できます。

b)tcpを介して接続する場合、frontdoor.conf 設定ファイル内で<ssl /> タグが無効(コメント)になっている必要があります。このとき、接続はtcpのみを介して確立できます。

サーバーアドレスの文字列内で接続パラメータが設定されていない場合、以下の値が使用されます。

パラメータ

デフォルト値

接続プロトコル

tcp

TCP接続では、Control Centerの管理 → Dr.Web Serverへのリモートアクセス セクション内で TLSを使用 フラグのチェックが外れている必要があります。これにより、frontdoor.conf 設定ファイル内の <ssl /> タグが無効になります。

ServerのIPアドレスまたはDNS名

Serverアドレスを該当するフォーマットで指定するようユーティリティによって促されます。

ポート

10101

Serverでは、許可されたポートは、Dr.Web Serverリモートアクセス セクションで設定され、frontdoor.conf設定ファイルに保存されます。このセクションで別のポートが使用される場合、ユーティリティを接続する際にこのポートを直接設定する必要があります。

<login> - Server管理者のログインです。

<password> - Serverにアクセスするための管理者パスワードです。

接続文字列内で管理者のログインとパスワードが指定されていない場合、該当する認証情報を指定するようユーティリティによって要求されます。

可能なコマンド

cache <operation> - ファイルキャッシュに対する操作です。特定の操作を行うには以下のコマンドを使用します。

clear - ファイルキャッシュをクリアします。

list -全てのファイルキャッシュの内容を表示します。

matched <regular expression> - 指定された正規表現に合致するファイルキャッシュの内容を表示します。

maxfilesize [<size>] - プリロードされたファイルオブジェクトの最大サイズを表示、設定します。追加のパラメータなしで実行された場合は現在のサイズが表示されます。サイズを設定するには、コマンド名の後に必要なサイズをバイト単位で指定します。

statistics - ファイルキャッシュの使用に関する統計を表示します。

calculate <function> - 指定されたシーケンスを計算します。特定のシーケンスを計算するには、以下のコマンドを使用します。

hash [<standard>] [<string>] - 指定された文字列のハッシュを計算します。特定の規格を設定するには以下のコマンドを使用します。

gost - 指定された文字列のハッシュをGHOST規格に従って計算します。

md5 - 指定された文字列のmd5ハッシュを計算します。

sha - 指定された文字列のハッシュをSHA規格に従って計算します。

SHA1 - 指定された文字列のハッシュをSHA1規格に従って計算します。

sha224 - 指定された文字列のハッシュをSHA224規格に従って計算します。

sha256 - 指定された文字列のハッシュをSHA256規格に従って計算します。

sha384 - 指定された文字列のハッシュをSHA384規格に従って計算します。

sha512 - 指定された文字列のハッシュをSHA512規格に従って計算します。

hmac [<standard>] [<string>] - 指定された文字列のHMACを計算します。特定の規格を設定するには、以下のコマンドを使用します。

md5 - 指定された文字列をHMAC-MD5で計算します。

sha256 - 指定された文字列をHMAC-SHA256で計算します。

random - ランダムな数値を生成します。

uuid - 一意の識別子を算出します。

clients <operation> - 情報を取得し、Serverに接続されたクライアントを管理します。特定の機能についての情報を取得するには、以下のコマンドを使用します。

addresses [<regular expression>] - 指定された正規表現に合致する端末のネットワークアドレスを表示します。正規表現が指定されていない場合は全ての端末のアドレスが表示されます。

caddresses [<regular expression>] - 指定された正規表現に合致する端末のIPアドレス数を表示します。正規表現が指定されていない場合は全ての端末の数が表示されます。

chosts [<regular expression>] - 指定された正規表現に合致する端末のコンピューター名の数を表示します。正規表現が指定されていない場合は全ての端末の数が表示されます。

cids [<regular expression>] - 指定された正規表現に合致する端末識別子の数を表示します。正規表現が指定されていない場合は全ての端末の数が表示されます。

cnames [<regular expression>] - 指定された正規表現に合致する端末名の数を表示します。正規表現が指定されていない場合は全ての端末の数が表示されます。

disconnect [<regular expression>] - 指定された正規表現に合致する識別子を持つ端末とのアクティブな接続を切断します。正規表現が指定されていない場合は、接続されている全ての端末との接続が切断されます。

enable [<mode>] - Serverでのクライアントの接続許可モードを表示、設定します。モードを設定するには、次のコマンドを使用します。追加のパラメータなしに実行された場合、現在のモードが表示されます。

on - 全てのクライアント接続を許可します。

off - 全てのクライアント接続を拒否します。

hosts <regular expression> - 指定された正規表現に合致する端末のコンピューター名の数を表示します。

ids <regular expression> - 指定された正規表現に合致する端末識別子を表示します。

names <regular expression> - 指定された正規表現に合致する端末名を表示します。

online <regular expression> - 指定された正規表現に合致する識別子、名前、またはアドレスを持った端末のオンライン時間を表示します。オンライン時間は最後に端末がServerに接続された瞬間から開始されます。

statistics <regular expression> - 指定された正規表現に合致するクライアントの数に関する統計を表示します。

traffic <regular expression> - 現在接続されている、指定された正規表現に合致するクライアントのトラフィック情報を表示します。

core - Serverプロセスダンプを書き込みます。

cpu <parameter> - ServerがインストールされているコンピューターのCPU使用率に関する統計を表示します。特定のパラメータを要求するには以下のコマンドを使用します。

clear - 蓄積された統計データを全て削除します。

day - 当日のCPU使用率のグラフを表示します。

disable - CPU使用率のモニタリングを無効にします。

enable - CPU使用率のモニタリングを有効にします。

hour - 現在の時間のCPU使用率のグラフを表示します。

load - 平均CPU使用率を表示します。

minute - 過去1分間のCPU使用率のグラフを表示します。

rawd - 当日のCPU使用率に関する統計値を表示します。

rawh - 過去1時間のCPU使用率に関する統計値を表示します。

rawl - 平均CPU使用率に関する統計値を表示します。

rawm - 過去1分間のCPU使用率に関する統計値を表示します。

status - CPU使用率のモニタリング状況を表示します。

debug <parameter> - 設定をデバッグします。特定のパラメータを設定するには、追加コマンドを使用します。追加コマンドのリストを絞り込むには、? debugコマンドでヘルプを呼び出すことができます。

debug signalコマンドはUNIX系OS環境のServerでのみ使用可能です。

die - Serverを停止し、Serverプロセスダンプを書き込みます。

dieコマンドはUNIX系OS環境のServerでのみ使用可能です。

dwcp <parameter> - Dr.Web Control Protocol(Server、Agent、Agentインストーラプロトコルを含む)オプションを設定、表示します。可能なパラメータは次のとおりです。

compression <mode> - 次の内いずれかのトラフィック圧縮モードを設定します。

on - 圧縮が有効です。

off - 圧縮が無効です。

possible - 圧縮が可能です。

encryption <mode> - 次の内いずれかのトラフィック暗号化モードを設定します。

on - 暗号化が有効です。

off - 暗号化が無効です。

possible - 暗号化が可能です。

show - 現在のDr.Web Control Protocolのオプションを表示します。

io <parameter> - Serverプロセスの入力/出力統計を表示します。特定のパラメータを要求するには以下のコマンドを使用します。

clear - 蓄積された統計データを全て削除します。

disable - 統計のモニタリングを無効にします。

enable - 統計のモニタリングを有効にします。

rawdr - 当日の読み込まれたデータに関する統計値を表示します。

rawdw - 当日の書き込まれたデータに関する統計値を表示します。

rawh - 過去1時間の統計値を表示します。

rawm - 過去1分間の統計値を表示します。

rday - 当日のデータ読み込みのグラフを表示します。

rhour - 過去1時間のデータ読み込みのグラフを表示します。

rminute - 過去1分間のデータ読み込みのグラフを表示します。

status - 統計のモニタリング状況を表示します。

wday - 当日のデータ書き込みのグラフを表示します。

whour - 過去1時間のデータ書き込みのグラフを表示します。

wminute - 過去1分間のデータ書き込みのグラフを表示します。

log <parameter> - Serverログファイルに文字列を書き込む、またはログの詳細レベルを設定、表示します。指定されたパラメータに応じて、以下のアクションが実行されます。

log <string> - 指定された文字列をNOTICEの詳細レベルでServerログファイルに書き込みます。

log \s [<level>] - ログの詳細レベルを設定、表示します。コマンドが\sコマンドで、レベルが指定されずに起動した場合、現在の詳細レベルが表示されます。利用可能なログの詳細レベルの値:ALLDEBUG3DEBUG2DEBUG1DEBUGTRACE3TRACE2TRACE1TRACEINFONOTICEWARNINGERRORCRIT

lua - LUAスクリプトを実行します。

mallopt <parameter> - メモリ割り当てのパラメータを設定します。特定のパラメータを設定するには、追加コマンドを使用します。追加コマンドのリストを絞り込むには、? malloptコマンドでヘルプを呼び出すことができます。

malloptコマンドはUNIX系OS環境のServerでのみ使用可能です。

コマンドパラメータに関するさらなる詳細については、glibcライブラリのmallopt()関数に関する記述を参照してください。この関数に関するヘルプを見るにはman malloptコマンドを使用します。

memory <parameter> - Serverがインストールされているコンピューターのメモリ使用率に関する統計を表示します。特定のパラメータを要求するには、以下のコマンドを使用します。

all - 全ての情報と統計データを表示します。

heap - ダイナミックメモリに関する情報を表示します。

malloc - メモリ割り当てに関する統計を表示します。

sizes - 割り当てられたメモリ量に関する統計を表示します。

system - システムメモリに関する情報を表示します。

memoryコマンドは、Windows環境、Linux 系OS環境、FreeBSD系OS環境のServerのみで利用可能です。ここでは、memoryコマンドの追加パラメータについて以下の制限があります。

system - Windows OS、Linux系OS環境のServerのみ

heap - Windows OS、Linux系OS環境のServerのみ

malloc - Linux系OS、FreeBSD OS環境のServerのみ

sizes - Linux系OS、FreeBSD OS環境のServerのみ

monitoring <mode> - Serverプロセスによって使用されるCPU(cpu <parameter>コマンド)およびI/O(io <parameter>コマンド)リソースのモニタリングモードを設定、表示します。可能なパラメータは次のとおりです。

disable - モニタリングを無効にします。

enable - モニタリングを有効にします。

show - 現在のモードを表示します。

printstat - Server動作の統計をログに記録します。

reload - Dr.Web Server FrontDoorプラグインをリロードします。

repository <parameter> - リポジトリの管理です。特定の機能を要求するには、以下のコマンドを使用します。

all - 全てのリポジトリ製品のリストおよび製品ごとの全てのファイルの数を表示します。

clear - キャッシュ内のオブジェクトのTTL値に関係なく、キャッシュの内容をクリアします。

fill - 全てのリポジトリファイルをキャッシュに読み込みます。

keep - 現在キャッシュ内にある全てのリポジトリファイルをTTL値に関係なく永久的に保存します。

loaded - 現在キャッシュ内にある全てのリポジトリ製品および製品ごとの全てのファイルの数を表示します。

reload - リポジトリをディスクからリロードします。

statistics - リポジトリの更新統計を表示します。

restart - Serverを再起動します。

show <parameter> - Serverがインストールされているシステムの情報を表示します。特定のパラメータを設定するには、追加コマンドを使用します。追加コマンドのリストを絞り込むには、? showコマンドでヘルプを呼び出すことができます。

showコマンドの追加コマンドについて以下の制限があります。

memory - Windows OS、Linux系OS環境のServerのみ

mapping - Windows OS、Linux系OS環境のServerのみ

limits - UNIX系OS環境のServerのみ

processors - Linux系OS環境のServerのみ

sql - SQLクエリを実行します。

stop - Serverを停止します。

traffic <parameter> - Serverネットワークトラフィックの統計を表示します。特定のパラメータを要求するには、以下のコマンドを使用します。

all - Server起動時からの全てのトラフィックを表示します。

incremental - 最後にtraffic incrementalコマンドを実行してからのトラフィックの増加分を表示します。

last - 最後に保存されたポイントからのトラフィックの増加分を表示します。

store - lastコマンドの保存ポイントを作成します。

update <parameter> - 情報を取得し、更新を管理します。特定の機能についての情報を取得するには、以下のコマンドを使用します。

active - 現在更新が実行されているAgentのリストを表示します。

agent [<mode>] - ServerからのAgentの更新モードを表示/設定します。追加のパラメータなしに実行された場合、現在のモードが表示されます。モードを設定するには、次の追加コマンドを使用します。

on - Agentの更新を有効にします。

off - Agentの更新を無効にします。

gus - GUSの更新状況を無視してGUSからリポジトリの更新を実行します。

http [<mode>] - GUSからのServerリポジトリの更新モードを表示/設定します。追加のパラメータなしに実行された場合、現在のモードが表示されます。モードを設定するには、次の追加コマンドを使用します。

on - GUSからのリポジトリ更新を有効にします。

off - GUSからのリポジトリ更新を無効にします。

inactive - 現在更新が実行されていないAgentのリストを表示します。

track [<mode>] - Agent更新のトラッキングモードを表示/設定します。追加のパラメータなしに実行された場合、現在のモードが表示されます。モードを設定するには、次の追加コマンドを使用します。

on - Agentの更新トラッキングを有効にします。

off - Agentの更新トラッキングを無効にします。この場合、update activeコマンドは現在更新が実行されているAgentのリストを表示しません。